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知られていない無期懲役の運用実態

無期懲役とは懲役の部類では最も重い、そして日本の刑罰の中で死刑に次いで2番目に重い刑罰となっています。
しかし、社会で認知されている無期懲役刑の重さは、死刑とは違い曖昧なものとなっており、実際より軽いものだと認知している人も少なくありません。
「15年ほどで釈放される。
」「期間が決まっていないだけ。
」等というのは2、30年ほど前の話であって、近年、特に2007年頃からは平均して30年以上で仮釈放が認められています。
しかし、仮釈放が認められた人数は年々減少し続けており、2000年代以降でのすべての無期懲役受刑者に対する仮釈放者の割合は1%を切っています。
つまり、ほとんど仮釈放されていないことになります。
実際、仮釈放されずに獄死する受刑者が年々増加しています。
こうした無期懲役の長期化、仮釈放審査の厳格化の傾向は最高有期刑が30年に変更されて以降に強くなりました。
また社会的に凶悪犯罪に対する厳罰化を求める声がより大きくなったことも影響しています。
刑法では無期刑の場合、開始から10年以上経過した受刑者には仮釈放の対象にすることも出来るとなっています。
しかし、これは建前上であり、実際は無期受刑者の仮釈放対象になるまでに、近年では最低30年以上かかる場合がほとんどです。
このように現在の無期懲役の実態は、刑期の期間、仮釈放の厳しさからも諸外国の終身刑に等しいものとなっています。

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